妄想インタビュー|芳子
🦉 monco11周年記念インタビュー
本日は monco の11周年をお祝いして、森から特別なゲストがやってきてくれました。
夜の住人であり、森の番人でもあるフクロウの芳子(よしこ)さんです。
その穏やかな佇まいの奥にある想いとは?
「穏やかでいること」「ありのままの自分」について、静かに語ってくれたインタビューをお届けします。
ー 本日はお時間をいただきありがとうございます。
芳子さん: こちらこそ。わざわざこのような時間に森までお越しくださり、恐縮です。 夜行性なものでして、今がちょうど一番、頭が冴えている時間なんですよ。
ー さっそくですが…とても落ち着いていらっしゃいますね。
芳子さん: そうですね。私たちはあまり騒ぐことはしません。 夜はとても静かなので、小さな音や気配に敏感になります。 そうして暮らしていると、心も自然と静けさに馴染んでくるんです。
ー 穏やかでいるために、何か心がけていらっしゃることはありますか?
芳子さん: そうですね…難しい質問ですが、「穏やかであろうとすること」でしょうか。 怒りに振り回されず、過度に悲しまない。 穏やかさって、生き方の選択というより、責任の一つでもあると思っています。 私たちフクロウは森の番人として、森の皆が安心して暮らせるように見守る役目ですから。
ー 番人としての「責任」とは、具体的にどのようなことを?
芳子さん: たとえば、トラブルが起きないように周囲を見守ること。 もし何かあったときは、静かに間に入り、問題が大きくならないようにすることです。 いちばん大事なのは、「平和に暮らすのが一番だな」と動物たちに感じてもらうこと。 そのために欠かせないのが、表情なんですよ。微笑みです。
ー 表情、ですか?
芳子さん: はい。どんなときでも、優しく、朗らかに接することを心がけています。 このフクロウたちの“微笑み”が、森の平和を支えていると思っています。
ー ……とはいえ、疲れてしまうこともありませんか?
芳子さん: 疲れるというより、よく「感情が分かりにくい」と言われますね。 いつも同じ表情で微笑んでいるので、少し怖がられることもあって…それはちょっと寂しいですね。 でも、笑うって素敵なことだと思いませんか? 私は好きなんです。
ー 芳子さんでも、驚いたりパニックになることってあるんですか?
芳子さん: ふふ、ないわけではありません。 以前、森をパトロールしていて、木の枝にちょこんと止まったら…それが実は枝ではなく、ヘビの胴体だったんです。 目が合った瞬間はさすがに、びっくりして羽がバサバサになりました(笑)。
ー ふふ、そんな一面も素敵です。そういう姿、森のみなさんにも見せたらどうですか?
芳子さん: ……。
ーはっ…言い過ぎました、すみません!
芳子さん:
そうですね……もしかしたら私は、「フクロウはこうあるべき」と、自分で思い込んでいたのかもしれません。
穏やかで軸のある存在でいなければ、と思ううちに、それが自然な自分だと感じていました。
でも、驚いたり、笑ったり、少し戸惑うことも私の中の感情なんですよね。
気づかせてくれてありがとうございます。
ーいえいえ。素敵なお話をたくさん伺えて光栄です。では最後に、読者の方に一言いただけますか?
芳子さん:
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
フクロウが穏やかでいられるのは、おそらく元々そういう性質だったから。
無理に心を整えようとしなくても、もともと心の中に「静けさの芽」はあるのだと思います。
その性質を、自分で少し信じてみること。
コントロールを手放すことが、意外と楽しい方へと導いてくれるのかもしれませんね。
ー芳子さん、本日は本当にありがとうございました。
芳子さん: こちらこそ、ありがとうございました。お互い、穏やかに頑張りましょうね。
🕊 編集後記:
芳子さんの言葉は、静かに、でも確かに心に届いてくるものでした。
「穏やかでいること」は、気合いではなく、少し肩の力を抜いて“戻る”ことなのかもしれません。
あなたが今、どんな場所にいても。
その中にある静けさの芽に、そっと耳を澄ませてみてください。